10 | パソコン実験室 |
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2002年4月、就職しました。
パソコン担当になるつもりでいました。
そのためにはまだまだパソコンについて勉強しなければなりませんでした。
最初は今のメインマシン、VALUESTAR NX VC36Hを改造する方向で考えていました。
しかし、改造記録でも記した通り、
3年前ということで今の最新鋭のパソコンと構造が大きく違っていました。
電通大の先輩からのアドバイスもあり、自作することに決めました。
そして、自分の給料を使ってパソコンを組み立てました。
※ここで書いてあるのは2002年6月時点での情報です。
絶対できるはじめての組み立てパソコン2002年版(SOFTBANK)
オールカラーで写真がたくさん掲載されており、
初心者でも理解しやすいように工夫がしてあります。
他にもパソコン組み立ての本がありますが、
オールカラーである本をお薦めします。
自作マシンの目的は
「デジタルカメラの画像加工ができて、
ブロードバンドインターネットに対応できるマシン」
と設定しました。
自作するにあたっていろいろと考えましたが、
1番の問題はCPUを何にするか、ということでした。
候補が3つありました。
上から\18000, \11000, \10000といった価格設定です。
まずCeleron1.7GHzについてはWillamette版で、将来拡張性がないので除外。
Celeron1.3GHzでも目的に合ったマシンが作れそうで
安価だったので迷ったのですが、将来的に後継品が出ないので除外。
少々高価ですが、将来を考えてPentium4 1.6AGHzに決定しました。
Pentium4 1.6GHzにはWillamette版とNorthWood版があるのですが、
新しい方のNorthWood版に決定。
Pentium4対応のマザーボードといってもいろいろあります。
2002年6月ではi845チップセットが大流行。
あまりに種類が多すぎてかなり勉強しました。
DDR SDRAMという比較的安価なメモリボードが使えるのがi845の大きな特長。
そのi845の中でもi845GLとi845Gが候補に上がりました。
i845GLは400MHzステップなのでPentium4の高周波数のものになると対応できません。
あとオンボードビデオカードが付属していません。
i845Gは533MHzステップ対応なので、Pentiumu4の高周波数にも対応できます。
というわけでi845Gチップセットに決定。
さらにメーカーの問題があるわけですが、
AOpenのマザーボードで「MX4GR」というMicroATX規格の製品が目に付き、
「日本語マニュアル付属」と箱に書かれていたので、あっさり決定。
本当に選ぶのが難しいのはケースです。
さまざまなメーカーからいろいろなケースが出ています。
できるだけ小さいケースにしたいと思っていました。
最初はスリムケースが欲しかったのですが、
145Wや180Wなど小出力の電源対応のものしかなく、あきらめました。
仕方なく2番目に小さい規格のミニタワーを選ぶことにしました。
2002年6月、ワールドカップサッカーが盛りあがっていた時に
以下のパーツを買いました。
パーツ種類 | 値段 | メーカー | 製品名 | 性能 |
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FDD | \1,980 | NEC | バルク品 | |
HDD | \14,300 | Seagate | ST360021A | 60GB, 7200rpm, 流体軸受 |
CD-ROM/DVD-ROM | \9,500 | IODATA | DVD-AB16A | DVD×16, CD×48 |
キーボード | \0 | VALUESTARと共用 | ||
マウス | \0 | VALUESTARと共用 | ||
メモリ | \4,299 | ノーブランド | バルク品 | 256MB |
電話回線モデム | なし | |||
サウンド | マザーボードに付属 | |||
ビデオカード | マザーボードに付属 | |||
マザーボード | \16,999 | AOpen | MX4GR | i845G, サウンド・ビデオオンボード |
ケース | \10,799 | TORICA・東海理化販売 | CSM250-WW | ミニタワーケース250W |
CPU | \18,480 | Intel | Pentium4 1.6AGHz | NorthWoodコア |
OS | Windows2000 | |||
ディスプレイ | \0 | VALUESTARと共用 |
ソフマップ梅田店で購入。
数種類ありましたが、適当にNECを選びました。
メーカーがどこであっても\2000程度。
ヨドバシ梅田で購入。
Maxtorなどいろいろありましたが、店員にどれがおすすめかを聞いて、
「これがよく売れています。」と紹介されたのがこれ。
40GBと60GBで悩んでいるときも「大きい方がいいんじゃないですか。」と
言われて60GBで決定。
流体軸受だと動作音が静かだとか。
ヨドバシ梅田で購入。
外付けのCD-Rドライブ「CDRW-iU20J」を買って
1度もミスなしで動作しているので
自信を持ってIODATA製にしようと決めていました。
しかもCD-Rドライブが無駄にならないようにするためか、
最近ではCD-ROM/DVD-ROMと読込専用のドライブがあります。
おかげでHDDで予算オーバーした分を取り戻せました。
ソフマップ梅田店で購入。
「このマザーボードに合うメモリを教えてください。」と言って
紹介してもらいました。
CL=2の在庫が切れていたので、若干高いCL=2.5を選択。
512MBのメモリは\9000程度したので、安い方の256MBを選択。
包装はナイロンケースのみといういかにもバルク品という一品。
今回のマザーボードには付属していません。
使うとすれば、VALUESTARのFAX兼モデムPCIボードを引っこ抜くしかありません。
PCIバス対応のモデムボードもまだまだ市販されています。
その代わりマザーボード・「MX4GR」にはLAN端子がついているので、
ADSLを引くときに役立つでしょう。
後述のマザーボードに付属しています。
「オンボードサウンド」と呼びます。
音にこだわりがなければこれで十分。
グラフィックスカード、VGAカードと言ったりもします。
これまた後述のマザーボードに付属しています。
「オンボードVGA」と呼びます。
3Dゲームをしないので、これで十分。
ソフマップ梅田店で購入。
パソコンの心臓部です。
AOpen製「MX4GR」はいろいろな機能がついています。
まずi845Gチップセットなので、オンボードでビデオカード付き。
これにより別にビデオカードを買わずに済みます。
オンボードサウンドなので、サウンドカードも不要。
そして、LANアダプタ付きなのでLANカードも不要。
さらにUSB2.0対応端子が4個あり、USB2.0のPCIボードも不要。
そして、Pentium4 533MHzステップ対応なので、Pentium4 1.6AGHzはもちろん、
Pentium4 2.26GHzなど高周波数のCPUでも対応できます。
Willamette、NorthWoodと両コアにも対応しているので、
Celeron 1.7GHzでも問題なく動きます。
これだけたくさんの機能があるMicroATX規格の小さなマザーボードです。
日本語マニュアルが付属してますが、あまり期待せん方がええかも。
ソフマップ梅田店で購入。
おすすめのうち、高い方を買いました。
電源250Wにもかかわらず静かな動作音が魅力。
ケースも使いやすいように、アダプタの収納部分にも工夫が見られます。
弱点はファンがついていないこと。
これから熱対策を考えなければなりません。
ヨドバシ梅田で購入。
前述の通り、Pentium4 1.6AGHzで組み立てました。
これはPentium4の1番低い周波数です。
基本的にはヨドバシ梅田で揃えるつもりでした。ポイント狙いです。
しかし、妹のiBook(iMacのノート版)を探したときに
ヨドバシ梅田の店員よりもソフマップ梅田店に来ていた
アップルコンピュータの社員が親切に教えてくれたのが好印象になっていました。
それ以外でもソフマップ梅田店の方が親切に説明してくれるような気がしていました。
ただし、値段は若干ソフマップ梅田店の方が高い。
したがって、両方の店にあるHDD、CD-ROMドライブ、CPUはヨドバシ梅田で、
それ以外の特殊部品であるマザーボード、ケース、メモリ、FDDはソフマップ梅田店で買いました。
特にミニタワーケースとマザーボードはソフマップ梅田店で探した方が
種類が豊富にあってよいと思いました。
参考書をもとに順に組み立てていきました。
ただし、参考書で書かれていても不要な作業もありました。
まずCPUをマザーボードに載せます。
ピンのコア欠けの部分を確認して正しく載せます。
次に上からクーラーをかぶせてレバーを倒して固定します。
レバーを倒すのには力が要りますが、少々なら力をかけても大丈夫です。
もちろん、たくさんかけてはいけません。
フロントカバーを外して前から入れるのですが、
いったん入れてしまうとケーブル配線で困るので、
ケーブルをつないでからケース内に入れるとやりやすいでしょう。
これは逆にケース内から外側に滑らせるように入れます。
ケース内のカバーが固いので1度固定したら外すのに苦労します。
今回1番苦労したのがこれです。
外すのに苦労し、大きいので収納するにも一苦労。
おまけに配線がやりづらい。
配線した後に不都合が見つかったら、
せっかく苦労してつけたケーブルを外して、
ドライブを外さなければなりません。
以上3つのドライブ、FDD, HDD, CD-ROMドライブは
何度も付けたり外したりしたので、しんどかったです。
最初に土台を固定してから上からねじ締めです。
間違って土台なしでねじを締めても固定できません。
なお、バックパネルの各端子類のアルミカバーは
マザーボードを固定する前につけておきましょう。
各種ランプ、電源、IDEケーブルなどをつなぎます。
特に電源ケーブルの扱いには要注意。
電源ケーブルは長さに余裕がなく、
引っ張りながら各ドライブに付けます。
無理して引っ張り過ぎないように注意。
このケースには80芯IDEケーブルが1本しか付きません。
CD-ROMドライブをセカンダリ端子につけるために
もう1本余分に80芯ケーブルを買っておけば完璧。
電源ケーブルも延長ケーブルを使えば無理なく接続できたかもしれません。
ただ、ケーブルが多すぎて、何がなんだかわからない感じです。
中間動作テストでは問題なしでした。
CPUの認識も完璧。
IDEドライブのHDD, CD-ROMドライブも問題なく認識されています。
さあ、これからOSのインストールです。
しかし、ここで最初の壁が…
何も変更していない状態だと
「CD-ROM→A:(FDD)→C:(HDD)」
の順番になっています。
これを
「A:(FDD)→E:(セカンダリマスタ・CD-ROM)→C:(HDD)」
の順番に変更しました。
BIOS設定で簡単に変更できます。
D:やE:のドライブ名でなく、CD-ROMとなっているのが
少し不気味だったので、ちゃんとドライブ名で指定しました。
Win2000のCD-ROMを入れたのですが、
何が原因かよくわからないのですが、
インストールに進みませんでした。
他のパソコンでWin2000の中の\BOOTDISK\MAKEBOOT.EXEを起動し、
FD4枚を使ってブートディスクを作成しました。
(「マイコンピュータ」からCD-ROMが入っているドライブをダブルクリック。
次に「BOOTDISK」をダブルクリック。最後に「MAKEBOOT.EXE」をダブルクリックすると
MS-DOS窓が開いて、フロッピーディスクを入れるように指示があります。)
再び自作マシンに戻り、電源を入れてFD1枚目を入れるとちゃんと認識。
以下、2、3、4枚目も認識してくれました。
この後、Win2000のCD-ROMを入れると、ちゃんとインストールできました。
ケーブルは正しく、ブート順序も正しいのに
インストールできないという場合は、ブートディスクを作成するとよいでしょう。
ついにWin2000の起動に成功しました。
しかし、文字が大きく、アイコンが大きい。
そして、なぜか画面が粗い。
「マイコンピュータ」から「コントロールパネル」を選んで「画面」のところを見ても
16色、800×600の設定が変更できません。
どうすればええんやろ、と途方にくれていましたが、
これは意外と簡単に解決できました。
マザーボードに付属しているCD-ROMからVGAドライバをインストールすれば即解決。
ちゃんとTrueColorも1024×768にも設定できます。
マザーボードに付属しているボーナスCDにはそれ以外にも
各種ドライバやソフトが付属しています。
Nortonのウイルス対策ソフトはWin95対応だそうで
インストールできませんでしたが。
何もしなければ、CDプレーヤーで音楽を聴くことができません。
これもディスプレイの解像度と同様、
AOpenマザーボードの付属CD-ROMから「Sound MAX」というソフトをインストールします。
すると、音楽を聴けるようになります。
以上で、Win2000のインストールにも成功し、
画面の解像度問題も解決しました。
これにWord98&Excel97を入れましたが、問題なく動いています。
自作するのにかなりの情報収集をしました。
確かに学生にとっては8万円以上の出費は痛いかもしれません。
社会人にとってもかなり大きい出費です。
ただ、自作パソコンでは自分が気に入った部品、ソフトを入れることができます。
世界でただ1機のパソコンができるというのもなかなかいいものです。
こだわりを持って作ることができるという点が
昔のラジオ少年達にも通じるところがあるなあ、と感じています。
ラジオ少年達も気に入ったパーツを求めて、
苦労して組み立ててラジオを作っていました。
その現代版が今の自作パソコンなのだと思います。
時間がなければ、パーツショップの組み立てパソコンを買うのもひとつの手でしょう。
メーカー製に比べたら画面などが流用でき、容易に拡張してくれるので
それを生かすのも手でしょうが、それではおもしろくない。
果敢に自作に挑戦するのも、おもしろいのではないでしょうか。