14 資格王への道

総合旅行業務取扱管理者

資格の種類 国家資格(日本旅行業協会)
最低限必要な費用 \6500(受験料)+送料
勉強に要した費用 \14万(スクール5ヶ月【週1回・全日】+テキスト4冊)
交通費と食費 \6万
資格取得の合計費用 約\21万
受験資格 特になし
試験日 年1回(10月第2日曜日)
受験場所 阪南大学(※2005年の場合)
特色・長所 海外旅行を扱う責任者になれる

概要

旅行業の営業所・代理店で1店舗につき1人以上必要となる、
責任者になる権利が与えられます。
(※旅行業者として、営業所内で認定されてから、”管理者”となります。)
国内旅行・海外旅行の両方を扱うことができます。
旅行業界に行かなければ、ただの紙切れ同然の資格です。
2005年より旅行業法が改正され、
名称も「一般旅行業務取扱主任者」から新しくなりました。

取得の動機

資格スクールで「国内と海外のダブル受験が効率的」という宣伝に
まんまとはまってしまい、総合の方も勉強することになりました。
海外旅行も経験がなく、飛行機にも弱いので、
受験前はゼロからのスタートでした。

受験条件

年齢、学歴に関係なく、誰でも受験できます。
国内とは違い、一般の旅行会社社員、その他の社会人も受験しており、
年齢層は若干高くなっています。
趣味で受験する人も結構います。

スクール

国内と同じく、LECなんば校・梅田スカイ校で受講しました。
(その他、大学や地域センターでも開講しているところがあるようです。)

講義期間が半年に及び、人気資格なので、
講義料も結構高値です。
先生と仲がいい生徒さんが多く、楽しい授業ですが、
その生徒さんが雑談で先生と盛り上がってしまい、
かえって授業の支障になるケースもあり、ちょっと困りました。

覚える事項が多く、復習で間に合わなくなりましたが、
演習でしっかり取り戻しました。
演習の小冊子は一問一答形式で、
解説もわかりやすかったので、通勤時に丸暗記しました。

試験の難易度

試験はマークシート形式なので、独学でもいけるかもしれませんが、
スクールに通うと、例年の出題傾向がわかるので、
より合格に近くなると考えられます。
問題は引っ掛け問題が多いので、
ひたすら問題を解いて、パターンをつかむことが大切です。

旅行業法:旅行者⇔国(国土交通大臣)の約束事
約款:旅行者⇔旅行業者の約束事
国内実務:国内航空運賃+JR運賃計算+国内旅行約款+日本地理

の国内旅行の3科目に加えて、

海外実務:国際航空運賃+海外の時刻表+出入国管理+旅券法+海外地理+英語

の強烈な1科目が加わり、全4科目となっております。

各科目6割以上が例年の合格基準です。
旅行業法、約款、国内実務は100点満点、海外実務は200点満点です。
つまり、旅行業法、約款、国内実務で100点を取っても、
海外実務で119点だと不合格となります。
この点が厳しい試験だと言えます。

試験の各教科について(旅行業法・約款・国内実務)

午前:旅行業法・約款:1時間20分
午後:国内実務・海外実務:2時間
で出題されます。
特に午後が勝負になると考えられます。

旅行業法、約款は国内試験と同レベルの難易度です。
実力を維持すれば、総合試験も大丈夫です。

国内実務は国内試験よりはレベルが高くなります。
JRの運賃計算が少なめになり、
航空関連問題が倍増します。
また、地理の問題もさらにマニアックなところを
出題してきます。
出題順序が地理→航空問題の順番で来るので、
地理が難しすぎるからといって、あきらめないことが大切です。

試験の各教科について(海外実務)

最後の海外実務ですが、出題範囲がものすごく広く、
一夜漬けだけでは試験を突破できません。

航空運賃では過去問を何問も解いて、
満点に近い得点を稼がないと苦しいです。

世界の空港の略号の正誤問題は必ず1問出ますが、
どれが出るかわからないので、カンでもいいでしょう。

海外の鉄道時刻表のトーマスクックや、飛行機の時刻表のOAG、
時差の問題は最大の得点源です。
取りこぼし厳禁です。

免税、出入国管理、旅券法も過去問を解いて、
傾向をつかむしかありません。

だいたい、以上の項目で120点分出題されるので、
100点程度は稼いでおきたいところです。

世界地理はマニアックにも程がある問題が
20問も出てきます。1個2点で40点です。
こればっかりは範囲を絞って学習するのは不可能です。
前年から今年にかけてあった、世界のニュースを
チェックしておいた方がよいでしょう。
(2005年の場合、ローマ法王交代→ミラノ出題)
うれしいニュースは特に注目です。

最後は英語です。8問〜10問出題でこれも40点あります。
実は、英語の出来はかなり重要です。
たとえ、海外地理でコケても、英語で挽回できます。
「英語は捨てても良い」という必勝法もよく見かけますが、
海外旅行の初心者にとっては
英語で得点するほうが合格に近いような気がします。
問題の単語がそのまま英文中に出てきたりもしますから、
英語は時間のある限り、粘った方が得だと思います。

実力以外にもカンで得点を稼げたりしますので、
たとえ実力不足を痛感していても、
最後まであきらめてはいけません。

解答速報

解答速報は受験日の夜にはインターネットでわかります。
各予備校が先に公開し、後で日本旅行業協会でも公式発表されます。
便利な世の中になったもんです。

ちなみに、私の海外実務の点数は136点で、
海外地理:26点、英語:20点、その他:90点でした。

資格取得後は?

国家資格なので、履歴書に書けます。
就職、転職には若干有利になりますが、
都市部には有資格者が飽和状態なので、
地方にしか空きはないようです。

インチキ業者に注意!!!

資格商法については国内旅行の試験で申し上げたとおりです。
試験当日に駅近くで「合否発表の申込み」と言いまわって、
個人情報を書かせている業者がいました。
もちろん、日本旅行業協会とは無関係です。
合否発表は願書提出時に、同時に申し込んでいるので、
追加して申し込む必要は全くありません。
本当に注意しなければなりません。

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