14 資格王への道

第二種電気工事士

資格の種類 国家資格(電気技術者試験センター)
最低限必要な費用 \9300(受験料)+\5200(免状代)
勉強に要した費用 \3.5万(テキスト1冊+電線セット(2回練習分)+工具セット)
実際に要した費用 \5万(一発合格で無駄な出費がありませんでした)
受験資格 特になし。
試験日 年2回(7月と12月:受験できるのは1年に1回だけ)
受験場所 インテックス大阪(※2016年12月の場合)
特色・長所 自宅の電気工事が自分でできる

概要

電気工事士には第一種と第二種がありますが、
第二種電気工事士は一般用電気工作物と呼ばれる
自宅や店舗内の配線・設備工事を行うことができます。
業者さんを呼ばなくてもエアコンや照明器具の工事をすることができます。
バリバリ実務系の仕事ですし、「士」が付いているので、
それなりにちゃんとした資格です。
筆記試験と技能試験があり、「手を動かして作品を作る」のが他の試験にはない大きな点です。

取得の動機

この「資格王への道」のページ、2011年に電験三種を取得してから、
全く資格を取得しておりませんでした。
仕事が忙しすぎて、毎晩遅くに帰ってくるため、
自宅で全く勉強する時間がなかったのですが、
なんとか、どうにか取れるような資格はないか?といろいろ考えて、
電験三種から一番近い資格である第二種電気工事士を取得することに決めました。

受験条件

年齢、学歴に関係なく、誰でも受験できます。
9割8分男性が受験していますが、まれに女性もいます。
年齢層は高校生〜60歳代まで幅広いです。

講座(関西の場合)

電験三種同様、大阪府主催の講座がありましたが、
試験1か月前からのギリギリの開催で、試験勉強の開始が遅れるという理由で、
今回は受講を見送りました。

その他、専門学校でも開催してくれるところがあるみたいです。

参考書と工具

・オーム社「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士技能試験すぃ〜っと合格」

電験三種のときにも訪れた大阪の本町の紀伊国屋書店で、目についた本がこれでした。
独学でお勧めの本、ということで多数の受験生に推薦されているようです。
基本的な工具の使い方がわかりやすく解説されていて、
カラーで配線がわかりやすく、親切だと思います。
付属のDVDで動画で作業手順がわかるので非常にありがたかったです。
同じシリーズで筆記試験対応の本もあります。

・準備万端(2回練習分)

練習問題を2回こなせるだけの器具・電線がセットになっていて、
練習問題を実際に配線する際の注意点についてDVDで確認することができます。
写真ではかなり少ない分量の電線ですが、
実際には大きなダンボール箱一杯の分量になります。
器具や電線はホームセンターで買いそろえることはできますが、
かなり面倒なので、これは便利でした。
なお、電線やコンセントの取付枠等が不足した場合は、
大きなホームセンターに行けば、追加で買えます。

・工具セット

各社から出ておりますが、HOZAN社製のものを選びました。
電線の被覆を剥がすのにスピードアップできるので、
4千円追加になりますが、必ずVVFストリッパー(右の写真)が入っているものを選びましょう。

試験問題(技能)の特徴

電気工事士の最大の特徴ですが、
「候補問題がすでに予告されている」のが他の資格試験にない特徴です。
全13問の候補問題のうち、当日にどれか1問が出ます。
難易度には幅があり、特殊な器具を使う問題の場合、40分で配線するのは難しいです。
過去の試験でどの問題が出たかは公式ホームページで調べることができます。

試験勉強

試験は12月に受けることが決まっていて、
7月に準備万端セットと参考書を買っていましたが…
実際には10月過ぎてから基本手順や問題を解説してくれるDVDを見始めました。
ただ、ず〜っと電線セットのダンボールをほったらかしにしていたので、
「やらんでいいのか」と毎日のように家族に言われ、
工具を持って電線を切り始めたのは10月終わりのことでした。

初めて配線して、40分で試験問題が解けない!と大慌てして、
毎日少しずつ電線を切っていくうちに、少しずつスピードアップできました。
ただ、つらかったのは問題を配線した後に器具(スイッチやコンセントの枠)を再利用するために
電線を器具から外す必要があり、手が痛くなって、かなりの手間でした。
ケチらずに専用の外し器を買えばよかったです。
家に電線と器具があったおかげで、平日でも少しずつレベルアップできました。

配線の細かい注意点(白線と黒線、結束のリングスリーブの種類等)は
家族が「すぃ〜っと合格」の本をカラーコピーして、
トイレの壁に貼りつけてくれました。
そして、候補問題の配線図(複線図)も貼りつけてくれたおかげで、
毎日勉強できました。

最初はわけのわからなかった複線図も
「黒線はコンセントと負荷に接続」
「白線はコンセントとスイッチに接続」
と丸暗記すれば、あとはどうにかなりました。
帰りの地下鉄(5分間)でも「すぃ〜っと合格」の複線図のページを
ひたすら読んで、ポイントを押さえました。

試験の難易度

専門性が高いため、受験生はしっかり勉強しているようで、
合格率が非常に高く70%前後です。
とはいえ、重大欠陥が1個でもあれば不合格なので、
油断はできません。

候補問題は13問あり、とりあえず一通りはできたのですが、
2周目で全部を解く時間がなかったため、過去に出題された問題を確認しました。
そうしたら、「夏に出た問題は夏にしか出ない、冬に出た問題は冬にしか出ない」
という傾向が見られたので、
冬に出た6問をもう1度手を動かして配線し、これで大丈夫と思っていました。
ただ、他の問題も出るかもしれないと思って、
全13問の複線図は書けるようにしておきました。

受験当日

試験会場はなんとインテックス大阪!
見本市の会場で広いイメージがあったのですが、
それだけ受験者が多いということで納得しました。
長机にパイプ椅子が用意されていて、2名ずつ座ってました。
隣の手の動きや配線は見放題ですが、
試験官もいますし、よそ見する時間は全くありません。

試験問題は比較的簡単なNo.10でしたが、
実はこの問題、「夏は夏、冬は冬」のルールを破った問題でした。
とはいえ、問題自体の難易度は低かったのでラッキーでした。
黒線・白線のつなぎ間違いはなかったのですが、
細かい配線を全て確認できなかったので、少し不安が残りました。

帰宅後、電験三種と同様、「2ちゃんねる」で確認したところ、
地域によって問題が異なり、全体では4種類出ていたことが判明。
難しい問題にあたった地域の人、本当にかわいそうです。
でも、地域によって難易度が違うってあんまりよくないですよね。

解答速報

解答速報は受験日からあまり時間をかけずに、
公式のホームページでわかります。
まあ、元から候補問題が公開されているので、
解答も公開されているようなものです。

免状の取得

はがきで合格は通知されますが、正式に第二種電気工事士を名乗るために、
免状を取得しなければなりません。
兵庫県の場合、
・兵庫県収入証紙(5,200円):銀行等で入手可能。なぜかファミリーマートの西神南店でも入手可能。
・住民票:各区役所ほか、三ノ宮のサービスコーナーなら土日でも入手できます。
・自分の写真(縦4cm×横3cm)2枚:最近、証明写真って千円できれいに撮影できる機械が多いですね。
・免状交付申請書:兵庫県のホームページからダウンロードできます。
・合格通知はがき:コピー不可
・返信用封筒(長形3号)
をセットにして、郵便局で簡易書留等で送る必要があります。
収入証紙、住民票、郵便局と平日に動けないサラリーマンには厳しいですが、
土日でもどうにかなります。

資格取得後は?

自宅の電気工事ができるので、いろいろと応用がききそうです。
求人には困らないでしょう。働く条件さえ気にしなければ。
電験三種と第二種電気工事士が取れて、本当に良かったです。
実務的な能力は不足していますが。

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