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転職活動の記録(2024年5月6日記事作成)

2023年9月末、21年半勤めた会社を会社都合で退職しました。
最近、売り手市場で若いうちだけでなく、中高年の転職も珍しくなくなりました。
ここでは、CM通りにはいかない転職活動について記載したいと思います。

退職の経緯

大学を卒業して2002年から会社員として勤務しておりました。
入社から21年経った2023年、グループ親会社の業務方針の転換により、
「30歳以上の社員(管理職を除く)」に対して、早期退職制度の説明を受けました。
正直言って、世間よりもはるかに低い年齢層まで対象になっていて驚きました。

早期退職制度は「退職したいと申告した人が退職するのだろう。」と勝手に思ってましたが、
実際はそうではありませんでした。
他のホームページやブログでも詳しく書かれていますが、
会社としては優秀な若手や管理職には残って欲しいと言い、
辞めて欲しい人に対しては退職勧奨の目的で何度も面談があります。
私は21年間、しっかりと会社に貢献したつもりでしたが、
44歳で部下無し管理職ということで、辞めて欲しい人に該当したようです。
上司と5回面談をした結果、このまま会社に居ても良いことがないと判断し、
最終的には退職を決断しました。

本来であれば、有給休暇を全部消化して退職することもできましたが、
同時期に会社の4割の人員が退職してしまい、業務が滞る心配がありました。
最後まで責任を果たすため、部分的に休みを取りながら、最終日まで勤務し、
最終日には自部署にお別れの挨拶をし、社長にも挨拶しました。
お別れの挨拶のとき、大泣きしました。
44歳なのに、泣かずにいられませんでした。

求人情報の探し方

会社都合退職なので、
前職からは転職エージェントサービスを前職の費用負担で付けてくれました。
担当者とは定期的に面談し、その転職エージェントサービスが持っている求人を自分で検索して、
自分に合った案件を見つけます。
ただ、途中からはその転職エージェントサービスの求人の書類選考通過率が悪くなったので、
別の転職エージェントサービスにも登録して、応募してました。
自分にはリクルート系よりもdodaの方が相性が良かったです。
dodaは前職の費用負担ではありませんでしたが、費用無料でした。

その他、indeedやハローワークのインターネット求人サービスで求人を探しました。
ただ、同じ案件でも「情報システム」「社内SE」「基本情報技術者」で語句を変えると、
見つかる案件が変わる場合があるので、探し方にも工夫が必要なようです。

転職エージェントの役割

求人情報の提供だけでなく、
履歴書や職務経歴書の作成のアドバイス、
面接のやり方のアドバイス、模擬面接の実施をしてくれました。
また、転職エージェントサービスを介して求人応募をした場合は、
面接時にきけなかった質問への対応、合否結果の通知、選考辞退(こちらからやめる)を
私の代わりにしてくれるので、便利です。
私の場合、転職の経験が無かったのでアドバイスを参考にしました。

その反面、担当者によっては
「最終面接前に突然1週間休む」
「自分も転職しているはずなのに、税金や失業手当の手続きに詳しくない」
場合もあります。

退職前後から内定までの行動

退職前から転職エージェントサービスとは数回面談をしていましたが、
9月末に退職してから、内定までの期間を半年と考えて行動しました。

2023年10月        履歴書と職務経歴書の作成・社会保険、住民税、国民年金手続き
2023年11月〜2024年2月  32社に応募、書類送付
2024年1月〜2月      面接、筆記試験(計8回)、確定申告
2024年3月         最終面接(1回)→内定 他に面接(1回)

一般的には「退職後3ヶ月程度で内定をいただかないと、意欲が低いと見なされて内定の率が下がる」
という内容の記事もありますが、私の場合は時間をかけてしっかりと活動できたと思ってますし、
「他にも応募している会社がある」と説明していたので、不利は感じませんでした。

履歴書と職務経歴書

書類選考には「履歴書」と「職務経歴書」が必要です。

「履歴書」には個人情報、学歴、社歴、自己PR等を記載します。
顔写真は印象につながるので、お金をかけても街の写真屋さんに行って撮影した方が良いです。
履歴書本体は、紙媒体が必要である場合とパソコン上のデータで良い場合があります。
また、紙媒体の場合、ワープロ打ち可の場合と手書きの場合があります。
私の場合、大学を編入学しているため、そこはアピールポイントでした。
資格がある場合、応募求人と関係の無い資格でも、
面接時に取得の理由を質問される場合があります。

「職務経歴書」には会社の中での具体的な職務経験、貢献したかを記載します。
入社後のすべての経歴が対象となりますので、私なら21年半が対象です。
所属部署毎にアピールできる経験を数値を含めて記載する必要があります。
管理職経験がある場合には規模を示すため、グループメンバー数も記載します。

転職活動で選考以外に必要な手続き(税金、年金、保険)

すべての手続きで「マイナンバーカード」があれば、スムーズに手続きできます。

まず、雇用保険の一環として、失業手当を受け取ることになります。
会社都合の退職は自己都合退職と異なり、給付期間が長くなります。
ただ、44歳6ヶ月でやめたので、給付期間は270日(約9ヶ月)。
45歳を超えていれば、給付期間は330日でした。
こればかりは求人で若い人を対象にしている場合もあるので、善し悪しです。
失業手当支給の手続きには前職から送付される「雇用保険被保険者証」が必要となり、
入手に時間がかかるため、退職してすぐに失業手当支給とはなりません。
失業手当支給の際には所轄のハローワークで手続きは可能ですが、
原則28日ごとに失業認定を受けるため、
28日の内で2度(1度はハローワークの失業認定時の相談)転職活動を行う必要があります。
転職活動には「求人への応募」の他、「転職エージェント担当者との面談」も1回で認められます。

その他、転職活動の前に「社会保険」「住民税」「国民年金」の手続きが必要です。
「社会保険」はそのまま任意継続とする際、私の場合は協会けんぽの事務所に行きました。
ただ、郵送でも手続き可能のようです。
社会保険から国民健康保険に変更する場合はお住まいの市町村役場で手続きできます。
ただ、国民健康保険には疾病手当金がありません。
「住民税」と「国民年金」はお住まいの市町村役場で手続きできます。

確定申告(2月後半〜3月前半)

退職した年末に失業中で会社で確定申告ができない場合は
翌年の2月後半〜3月前半にインターネット上で確定申告が可能です。
マイナンバーカード、源泉徴収票、生命保険料明細、火災保険料明細等を準備すれば、
自宅のパソコンから手続きが可能となります。
2月中旬に入力を終了し、送信した場合、3月前半に還付分が返金されます。
数万円単位で返却されることもあるため、忘れずに確定申告した方が得です。

書類選考

上記の通り、「リクルートエージェント」「indeed」「ハローワーク」のweb検索を基に
実務経験がある情報システム担当職、品質保証の業務で計32社に応募しました。
「リクルートエージェント」の場合は、いったんリクルートエージェントに応募を依頼して、
そこから応募することになります。合否結果もリクルートエージェントから連絡されます。
「indeed」、「ハローワーク」の場合は、そこから指定された転職エージェント、
あるいは直接応募して、先方から合否結果を受けます。

私の場合、「情報システム担当職か品質保証職」「土日祝休み(年間休日120日)」「転勤無し」「地元限定」で
条件を設定し、リクルートエージェント経由では19社応募で2社しか書類通過せず、
途中から「doda」でも求人検索をしました。
doda経由では6社応募で3社書類選考を通過しました。
なお、情報システム担当職と品質保証職の応募では職務経歴書の内容を若干変更しました。
また、求人の条件で示される関連資格を所有していても、書類選考に通過するとは限りません。
それから「第二新卒歓迎」と記載があれば、若年層対象となりますので、44歳だと通過しません。
求職者が案件を選ぶように、企業側も応募者を選んでいます。

1次面接

書類選考を通過したら、日時を調整し、1次面接に進みます。

面接官は人事担当者または実務の上司が多かったです。
質問を受ける可能性が高いのは、
「学歴」「職務経歴」「退職理由」「志望理由」「長所と短所(自己PR)」「趣味」なので、
回答内容を事前に考える必要があります。
希望年収を質問された場合は
「御社の規定に従います。希望年収は○万円ですが、御社から提示を受けた場合は前向きに検討致します。」と回答しました。
難しい質問ですが、自分の年収の考えで選考を落とされるのを避けた感じです。
それから、「最後に質問はありますか?」と問われたら、必ず複数の追加質問をすることが大切です。

私の場合、書類選考通過8社で1次面接を受けまして、通過したのは3社でした。
1次面接当日になり、「社内SEのはずが経理・一般事務」「社内SEのはずが品質保証職」という場合もありますので、
応募した場合は、自分のすべての経歴に関する職が対象だと考えた方が良いです。
面接の内容がいまいち、また面接官から意地悪な質問を受けた場合は以降の選考を辞退するのも一策です。
おそらくは、入社しても納得いく仕事ができないでしょう。

適性試験・筆記試験

意外と難しいのがこの適性試験・筆記試験です。
「会場で筆記用具持参で受ける形式」と「面接前にwebで受ける形式」があります。

適性検査ではSPI等、中学レベルの国語、数学、英語の試験や性格診断があります。
ただ、中学レベルとはいえ、制限時間がありますので、予習無しでは苦戦します。
その他、
「小論文」ではテーマが与えられ、思ったことを記載します。
「内田クレペリン検査」では隣り合う数字を足し算する作業を30分続けます。

私の場合、小論文は内容が少々間違えていても通過しました。
SPIは意外と難しく、国語の読み取り問題で大苦戦したので、市販の問題集を解きました。
性格診断は正解がないので、正直に記載した方が良いです。

最終面接

以上の書類選考、面接、筆記試験を通過したら最終面接です。

面接官は代表取締役だったり、実務担当部長だったりでまちまちでした。
改めて「自己紹介」「志望動機」を質問されるほか、専門的な知識として、
応募先に関係する最近の話題、入社以降の実務の話等も対象になります。
特に企業のホームページや最近のニュース、製品の情報を頭に入れて話せるようにした方が良いです。

私の場合、ある信用組合(情報システム担当職)では、志望動機はお話しできましたが、
「金融の話題」「信用組合が関係する業界のイメージ」等が十分に答えられませんでした。
あと「前職で最も嫌だったこと」という想定外の質問を受けまして、
退職の理由ではないことを強調して、パワハラ被害を話しました。
予定30分のところ40分間面接して、手応えはありましたが、不合格でした。
結局、44歳の年齢も原因だったかもしれません。

一方、あるメーカー(品質保証職)では、品質保証職の業務であるクレーム対応の話を中心に、
製造部門とのコミュニケーションを綿密にとれることを強調しました。
また、会社のホームページで製品情報を勉強しました。
最後に年収等の条件の提示を受け、内定をいただける旨、お話を受けました。
予定60分のところ条件面を含めて90分間面接しまして、2日後、お話の通り合格(内定)をいただきました。

マニュアル本との違い

面接マニュアル本には典型的な質問が掲載されていますが、私の場合、
「当社じゃないといけない理由」「入社後はどうなりたいか」「年齢が下の上司でも大丈夫か」はほぼ質問されませんでした。
「退職後に何をしていたか?」という質問については、退職後半年以内なら
「転職活動をしていた(他社の進捗状況)」や「能力を伸ばすために自主的に勉強していた」と答えられたら大丈夫です。

転職エージェントからは
「とにかく応募しろ。条件が少しでも合致していたら応募して、会社に判断してもらえ。」と言われてましたが、
入ってから困るのは自分なので、数が少なくても、よく考えて応募することをおすすめします。
転職エージェントは「その人を早く転職を成功させる」のが仕事です。
その人が満足いく職場に転職できるかはCMイメージとは違って二の次になります。
だいたい、転職後は前職よりも収入や条件が悪くなることが多いです。
通常、転職活動は3ヶ月以内で終了すると言われてますが、
年齢、経験、分野等で私のように7ヶ月かかることも、それ以上時間がかかることも十分ありえます。

内定後の対応

いろいろと書類を作成することになりますが、
身元保証人について2名の場合、母と伯母で問題ありませんでした。
身分証明書としてマイナンバーカードがあれば、コピーを提出します。
「健康診断」は受けてから3〜6ヶ月有効なので、時間が経過した場合は病院で受け直します。
私の場合、すべての項目の検査で2.6万円程度かかりました。

ハローワークには「入社日の前日」に行き、
失業手当の最後の認定と就職日がわかる書類を提出し、手続きを行う必要があります。

入社後の対応

前職から受け取った「雇用保険被保険者証」を提出します。
同じ年に退職して再就職した場合、「源泉徴収票(当年分)」を提出します。

その他、「住民税」「国民年金→厚生年金」は入社後の手続きは不要です。
「社会保険」を任意継続していた場合、
入社後に「任意継続被保険者喪失申出書」を協会けんぽの事務所に郵送します。

最初の日は総務部門より就業規則の説明、労働条件通知書兼雇用契約書の押印、
所属部署・関連部署への自己紹介、1日の過ごし方について説明を受けました。
2日目は品質保証の一環であるクレーム実務対応、製造現場への業務の依頼、過去事例の確認を行いました。

転職活動を終えて

以上、2023年9月末に退職して、再就職するまで7ヶ月間の記録でした。
44歳から45歳までの転職活動は予想以上に厳しく、
私は情報処理、簿記、電気保安関連資格も所有しておりましたが、
資格だけで実務経験が無ければ、書類選考には通りませんでした。
退職後、内定までに7ヶ月かかりました。
当初は大学時代で学習していた情報システム担当職を希望しておりましたが、
前職の経験を生かした品質保証職で勤務することになりました。

相性が良いと思われた信用組合の最終面接に不合格となったり、
労働環境が良い銀行系の不動産会社には1次面接後の適性検査で不合格になったりと
落ち込みながらも、その都度反省し、次の選考に活かしました。
時間を要したことは無駄ではなかったと思っております。
メーカーでたまたま50歳未満の品質保証職の方がおらず、後継を探していたことと、
ある程度の品質保証の経験を有している人を対象としていたため、内定をいただけたと思っております。
応募したタイミングが良かったです。

応募の手持ちがなくなってゼロの状態に戻ったとしても、
あきらめずに転職活動を継続すれば、条件に合った仕事は見つかることを経験しました。
厳しかったですが、良い経験をさせていただきました。
次の職場でお役に立てるように、努めて参ります。



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