おれんじ食堂とJR日本最南端の駅の旅

日時2019年8月16日(金)〜8月17日(土)
目的地おれんじ食堂、垂水フェリー、城山ホテル鹿児島、知覧武家屋敷、特攻平和会館、西大山駅
目的日本一豪華な食堂車に乗り、一流ホテルに宿泊し、JR日本最南端の駅に到達する

2019年の盆休みはなんと9連休。
よく仕事を頑張った自分、というご褒美と、40歳記念ということで、
超豪華な旅1泊2日を東西で行うことにいたしました。

今回は後半戦。
2019年1月には熊本地震のために一度断念した、
JR日本最南端の駅、西大山駅に行くことにしました。
それ以外にはきれいな庭園の知覧武家屋敷、
平和の願いを込めて特攻平和会館を訪問することにしました。

それだけ行くのなら、関西から日帰りで行けますが、
会社の元同僚から教えてもらった肥薩おれんじ鉄道の食堂車、
「おれんじ食堂」を予約し、スペシャルランチをいただくことにしました。
最後は一流ホテル、城山ホテル鹿児島を予約しました。
お盆だったので、2食ともホテルで用意してもらいました。

3日前の東日本編に負けないぐらいの豪華な計画になりました。

旅行の準備

おれんじ食堂、スペシャルランチ単体だと移動費込みで24,000円かかります。
何しろ、ムッシュ坂井(料理の鉄人で有名なフレンチの鉄人)監修のフルコースですから。
かつてのトワイライトエクスプレスでもディナーが12,000円だったのに、
その上を行きます。日本で最高価格のランチ列車だと思います。
少しでもお得にするために、
往路:熊本→新八代と川内→鹿児島中央で九州新幹線自由席利用
帰路:鹿児島中央→熊本で九州新幹線自由席利用
で、おれんじ食堂(乗車+食事)がセットになった新幹線プランを予約しました。
これで25,500円。遠方から楽しむのなら、絶対にお得です。
肥薩おれんじ鉄道に電話1本かければ、手続きを教えてくれます。

城山ホテル鹿児島は一流ホテルなので、
これまた安く予約を取るのが難しかったですが、
お盆で平日の宿泊扱いだったので、1泊2食が22,398円で予約できました。

西大山駅に行く際、普通にJR指宿枕崎線で行こうとすると、
列車の本数が少なく、難しいのですが、
昼間に西大山駅に40分滞在して、帰ってこれる普通列車があったので、
これに合わせる形で、帰りに特急「指宿のたまて箱」を予約しました。
これで完璧!でもお金があっという間に飛んでいきました。

1日目:おれんじ食堂と垂水フェリーと城山ホテル鹿児島

発駅発時刻着駅着時刻備考
姫路6:54新八代9:56新幹線「さくら541号」
新八代10:08川内13:47おれんじ食堂2号「スペシャルランチ」
川内13:58鹿児島中央14:09新幹線「さくら551号」
鹿児島中央駅14:15鴨池港14:40バス(160円)
鴨池港15:40垂水港16:15フェリー(480円)・10分遅れ
垂水港16:40鴨池港17:15フェリー(480円)
鴨池港17:20天文館17:50バス(160円)

おれんじ食堂・その1

ちょっと早めの「さくら」で姫路から熊本へ。
割引きっぷの都合上、熊本から新八代は自由席で移動。
新八代で在来線ホームに移動し、
肥薩おれんじ鉄道の改札で事前に送られてきた資料を係員さんに提示して、
手続きを終わらせました。
お盆休みの平日で、1号車の乗客は私だけ。貸し切りだ〜

・飲み物は飲み放題(コーヒー、紅茶、ほうじ茶、デコポンジュース)
・車両のクッキー、焼き菓子の合わせて2種類は食べ放題。
・沿線の3ヶ所でおみやげと交換できるグルメクーポンがある
・ランチは出発1時間半経過後の水俣駅から開始

という特別な旅行がスタートしました。
すれ違いでくまモン列車が撮影できました。
最初にほうじ茶をいただき、日奈久温泉名物の日奈久ちくわが出てきました。
ちくわが温かくて驚きました。
ちくわのお供にはデコポンの不知火ジュースをいただきました。
その後、太刀魚のみりん干しを食べながら、紅茶をいただきました。
続いて、佐敷駅でグルメクーポンを使ってデコポンの缶詰と交換しました。
カレーで町おこしをしているということで、
別に300円払って、揚げたてのカレーパンを食べました。
外に出ている一瞬の間にテーブルにお食事の準備ができていました。
外にはのどかな田園風景が広がっていました。

水俣駅でグルメクーポンを使ってデコポンのママレードと交換しました。
水俣駅で食事がおれんじ食堂に運ばれて、スペシャルランチの開幕です。
最初はサザエ入りのコロッケ、肝のソース添え。
(正式名称は”活サザエと里芋のクロメスキー その肝の風味で!!”)
サザエがしっかりと感じられて、肝のソースも本格的。
1品目から本気だなあ。

2品目は車海老とたこ、キュウリのマリネ。
(正式名称は”焼き茄子のヴルーテー 車海老とたこのマリネ オクラと生海苔のジュレで…)
これまた車海老が本格的。
たことキュウリにかかっているのがナスのソース。
フランス料理って食べたことはほとんどありませんが、
すごい料理だということは感じました。
海を見ながら、本格的なフランス料理が楽しめます。

おれんじ食堂・その2

3品目はカサゴの予定が旬を過ぎたので、
鯛のポワレ、トマトソース仕立て。
(正式名称は”鯛の網焼き キャベツの軽いエチョベ添え”)
このソース、あさりのだしが利いていておいしかったです。

4品目は味を変える意味で、白桃の冷製スープ。
(正式名称は”お口直しに白桃の冷製スープ”)
もって来ていただいた方から
「このスープはスプーンを使わずにそのまま飲んでほしいと
坂井先生からお話していただきました。」
という説明を聞いて、ああ、本当にムッシュ坂井が監修しているんだ、
と実感できました。

5品目は黒毛和牛のビール煮込み。
(正式名称は”鹿児島黒毛和牛の黒ビール煮「薩摩ブラック」
なめらかなじゃがいものエスプーマとサマートリュフを添えて!”)
シチューのように牛肉がほぐれていきます。
アスパラガスが甘くて、なんとトリュフが2枚ものっていました。
ソースをフランスパンですくって、残さず食べました。

デザートは大人のクリームソーダ。
(正式名称は”ちょっぴり大人のメロンクリームソーダ”)
メロンと抹茶ゼリーとババロアが入っていて、
ノンアルコールのシャンパンが大人だなあという感じがします。

以上6品、1時間半にわたるスペシャルランチでした。
メニューの構成と時間配分がお見事。
ゆっくりと飽きずにおいしい食事をいただくことができて、
大満足でした。

最後に薩摩高城駅で下車し、
係員さんの案内で浜辺まで歩いて、海を見に行き、
最後のグルメクーポンできびなごのオリーブオイル漬けをいただきました。

新八代から川内まで3時間39分の旅。
新幹線だと30分で移動できる距離ですが、
沿線の海を中心とした景色の解説、
食事やおみやげのタイミング、いろいろ計画されていたのでしょう。
見事に旅として成り立っていました。
本当に努力されているなあという印象を持ちました。

川内から鹿児島中央までは九州新幹線でわずか11分で移動できました。

垂水フェリーと白熊

鹿児島中央駅では特にやることがなかったので、
バスですぐに鴨池港に移動しました。
鴨池港では、待合室で涼みながら高校野球中継を見て、
垂水(たるみず)港行きのフェリーを待ちました。
先ほどとは別の会社の元同僚から
「垂水港行きフェリーのうどんがおいしい」
という情報を受け、鹿児島に行ったら、絶対食べようと思っていました。
2019年1月には熊本地震であきらめ、
6月にフェリー「さんふらわあ きりしま」に乗ったときには
志布志から垂水までが遠かったので、
これまた断念していました。
今年1年で3回も鹿児島に来ていることになりますが、
うどんを食べるのは人生初です。

フェリーが着いて、お客さんが下船した後、フェリーに乗り込むと、
うどんコーナーにはすでに行列ができていました。
本当に名物なんですね。
フェリーは35分ほど乗るので、うどんを食べていたらもう着いた、
ということはありませんが、逆に35分ぐらいの航路で
うどんを食べさせるコーナーがある、というのが珍しいです。
わかめうどんを食べましたが、
冷凍うどんのコシの強さとダシのうまさで、おいしかったです。
桜島もばっちり見えました。
が、高校野球中継で明石商業がとてもいい勝負をしていたので、
横の桜島も気にしつつ、高校野球中継からも目が離せない状態でした。

垂水港に着いて、周りの写真を撮りましたが、
車がないと観光ができないため、そのままフェリーに乗って、
鴨池港に戻りました。
フェリーは遅れていましたが、バスも遅れたフェリーを待ってくれていて、
順調に繁華街の天文館に行くことができました。

天文館むじゃきで小さいサイズのかき氷、ベビー白熊を食べました。
ベビーでもそこそこ食べ応えがありました。
練乳もイメージとは違って、すごく甘いわけではありませんでした。
中には1人でレギュラーサイズの白熊を食べる人がいましたが…
私にはまねできそうにありません。
天文館からは城山ホテル鹿児島の無料バスに乗り、ホテルに向かいました。

城山ホテル鹿児島

城山ホテル鹿児島は文字通り、高台にあるので、
徒歩で行くのはかなり厳しいです。
ホテル到着が19時10分、夕食が19時30分開始だったので、
荷物を置いてからすぐに夕食を食べに行きました。

夕食は鹿児島らしく、黒豚しゃぶしゃぶを選びました。
ぽん酢たれもごまだれも両方おいしかったです。
吉田類の酒場放浪記でおなじみ、
米焼酎の「メローコヅル」を初めて飲みましたが、
独特の味がしました。
私にはまだ早かったです。
デザートは抹茶プリンをいただきました。

夕食の後、大浴場に行きましたが、
温泉で水がとろとろしていて、お肌がすべすべになりました。
露天風呂も内風呂も浴槽が広くて、豪華でした。

2日目:知覧と西大山駅

発駅発時刻着駅着時刻備考
鹿児島中央駅8:07武家屋敷入口9:35バス・平川駅付近で迂回
武家屋敷入口10:19特攻観音入口10:26バス
特攻観音入口11:55喜入駅東12:18バス
喜入12:47西大山13:38指宿枕崎線
西大山14:18指宿14:35指宿枕崎線
指宿15:07鹿児島中央16:00特急「指宿のたまて箱6号」
鹿児島中央16:32岡山19:37新幹線「みずほ608号」
岡山19:49西明石20:32新幹線「こだま752号」

城山ホテル鹿児島・朝食

朝、再び大浴場に行きましたが、
桜島がばっちり見えました。
この温泉、本当に最高ですな〜。

城山ホテル鹿児島の朝食は80種類からのバイキング。
鹿児島名物のきびなご、豚の角煮、とんこつラーメンに、
鯛茶漬けやカレーまで揃っていました。
時間が短かったので、いろいろ食べられなかったのが残念ですが、
豪華な朝食を堪能しました。
タクシーで鹿児島中央駅に移動しました。

知覧武家屋敷と特攻平和会館

バスが自然災害の影響で平川駅周辺を迂回したため、
15分遅れで知覧武家屋敷に到着しました。
入園料500円を支払い、名物の知覧茶を飲みました。
夏だったので、冷たいお茶がおいしかったです。
全部で7つの庭園があり、
外国人旅行客(アジア系ではない)と一緒になってしまったので、
2つ目からはわざと別の庭園から回りました。
それほど長い距離ではないので、40分あれば1周できます。

その後、バスで移動し、特攻平和会館へ。
館内は写真撮影禁止だったので、自分の目でしっかりと戦争の資料を見ました。
特攻部隊は第二次世界大戦の時に16〜20歳前半の男性が
飛行機ごと相手に突撃するという戦法で、パイロットは必ず死にます。
特攻隊員の遺書と写真が掲示されており、
今が平和でよかった、2度と戦争なんて起こしてはいけない
という認識を新たにしました。

西大山駅では食事できないような感じだったので、
特攻平和会館周辺のレストランで茶美豚のみそカツ定食を食べました。

西大山駅

特攻観音入口からバスで喜入駅東に移動し、
30分待ってJR指宿枕崎線に乗り換え、50分乗って、
ついに西大山駅へ。
去年からずっと「JR最南端の駅」に行きたいと思っていましたが、
ついに念願達成です。
これでJRの端の駅、東西南北すべてを制覇しました。

昼間のちょうどよい時間帯に来る列車が非常に少ないため、
ほとんどの人は車で来ていました。
そして、列車と開聞岳と「JR最南端の駅」の看板をセットで撮影したい人が多く、
なかなか人がいないような写真を撮ることができませんでした。

駅前のおみやげ屋さんで到着証明書を買い、
マンゴーソースのソフトクリームを食べました。
40分滞在しましたが、意外とやることがあり、飽きませんでした。
再び、指宿枕崎線に乗り、指宿に戻りました。

特急「指宿のたまて箱」

指宿で32分待って、特急「指宿のたまて箱」に乗車しました。
JR九州の誇るデザインがかっこいい特急列車の1つです。
カウンターの席に座ると、海が一望できます。
限定の黒ごまプリンを買い、
看板を持って、記念撮影をお願いしました。
1時間足らずの乗車時間でしたが、あっという間でした。

鹿児島中央駅では30分しかありませんでしたが、
おみやげをちゃんと買えました。
欲を言えば、とんこつラーメン食べたかったなあ。

旅行を終えて

2日で使ったお金、9万8千円でした。
今回は九州新幹線、おれんじ食堂、城山ホテル鹿児島で
ほとんど使って、それ以外ではほとんど使いませんでした。

おれんじ食堂、本当に気遣いがすばらしくて、
1車両に1人のお客さんで申し訳なかったです。
城山ホテル鹿児島では、さすが一流ホテルで、
大浴場も食事も素晴らしかったです。

長年行きたかったJR西大山駅についに到達できました。
行きたかった垂水フェリーのうどん、知覧も観光できたので、
とても良い旅行になりました。

Special thanks !!
・肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」(スペシャルランチは高価ですが、その価値はあります)
・城山ホテル鹿児島(さすが一流ホテル。温泉も食事も最高です)
・ホテルから鹿児島中央駅まで運んでくれたタクシー(おかげで乗りたいバスに間に合いました)
・特急「指宿のたまて箱」(予約が取れない特急ですが、楽しく旅行できました)

Thanks !
・鹿児島のバスの運転手の皆さま(安く移動できて、無事故で移動できました)

バカヤロー !!!
・指宿枕崎線の切符「指宿レール&バスきっぷ」
(特急「指宿のたまて箱」は人気列車なので、事前に購入しなければ席が取れませんが、
 インターネットではこの切符は購入できません。)
・乗り換え時間の長さ(もう少し接続が良ければ、最後にとんこつラーメン食べられたのに)


おまけ・ミニ知識

(おれんじ食堂関連)
・インターネットで空席を確認し、事前に料金を払い込めば、必要書類を郵送で送ってくれる。
・paypal払いが信用できないので、郵便振込で支払うことも可能。
・肥薩おれんじ鉄道に電話で質問した際に
「新幹線とスペシャルランチのセットにしたい」と申し込めば、対応してもらえる。

(垂水フェリー関連)
・鹿児島中央駅から鴨池港までは25分、160円。安い。
・鴨池港から垂水港までは35分、480円。安い。
・フェリーの中ではうどんが食べられる。トッピングにより500円以上になることもある。
 よく考えたら、フェリー代より高い。
・フェリーからは桜島が良く見える。

(天文館むじゃき関連)
・フロアにより、喫茶店、洋食屋さん等変わるが、どの階でも白熊は食べられる。
・ミニサイズの白熊を複数人でシェアするのは不可。

(城山ホテル鹿児島関連)
・天文館からはシャトルバスで10分。30分毎だが、遅れることもある。
・シャトルバスはホテル→鹿児島中央駅→天文館→ホテルで巡回するので、ホテル→天文館は時間がかかる。
・ホテルは広すぎるため、フロント、客室、朝食会場、夕食会場、大浴場でそれぞれ移動時間がかかる。
・朝食会場のベランダから桜島が見える。

(知覧関連)
・武家屋敷入口から武家屋敷まではすぐだが、料金所に行って、入園料500円を支払う必要がある。
・7つの庭園を回るのは40分かかる。
・有料で茶菓子とお茶が楽しめる休憩所もある。
・武家屋敷入口から特攻観音入口まではバスで7分。特攻観音入口から特攻平和会館までは徒歩5分。
・特攻平和会館周辺ではおみやげ屋さん、レストランが数軒ある。

(その他)
・バス停喜入駅東からJR喜入駅までは徒歩5分。それほど遠くない。
・JR西大山駅周辺にはおみやげ屋さん1軒のみ。カレーライス等の軽食、ソフトクリーム等は食べられる。
・JR西大山駅は列車の本数が少ないため、計画を綿密に立てる必要がある。
・JR山川駅、JR指宿駅にはタクシーが常駐しているため、タクシーで西大山駅まで行くことは可能。
・指宿駅前には足湯がある。無料。
・特急「指宿のたまて箱」は全車指定席。1人席からは海が良く見える。


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