「車屋」

冷酒。 おまかせ3点盛り。 栃尾焼。 玉子焼き。 鯖の一本寿司。 根津駅から歩いて1分。 BS-TBS「吉田類の酒場放浪記」で訪れていたお店。
同番組を参考に訪れるのは広島県呉市の「本家鳥好」以来、2軒目。
毎回、魅力的なお店が映るが、
このお店は東京にあるのに、魚料理がおいしそうで、
なにしろ盛り付けのきれいさが印象に残っていた。
ただ、営業は月曜日〜土曜日のみ。
日曜日と祝日がお休みなので、関西在住の私にとっては
ハードルが高かった。

金曜日に偶然、突然東京出張が入り、
他にも東京で遊びたい用事があったので、
1泊して翌日の夕方にこのお店に入店。
ただ、初めての居酒屋さんで、
常連さんのご迷惑になるのは申し訳ないので、
夕方16時開店のところを16時5分に入店。
初めてのお店でその日初めてのお客になった。

最初に冷酒を注文。
それから刺身の3点盛りを注文。
それだけをとりあえず注文したのだが、
後から入ってきたお客は飲み物とほぼ同時に
大量の料理を注文していた。
ああ、ちょっと失敗したかな〜。

冷酒を一口呑んで、刺身が登場。
この日はたことあじとかつおだった。
盛り付けが居酒屋レベルではなく、
完全に高級和食の雰囲気だった。
また、かつおの脂がのっていて、おいしかった。
そのころにはお客がもう集まっていて、お店の半分以上は埋まっていた。
まだ17時前なのに。
しかもカウンターは満席。すごい人気店だ。

あわてて、栃尾焼、玉子焼き、鯖の一本寿司を注文。
そうしたら、栃尾焼がすぐに到着。
大きな油揚げをカリカリに焼いて、
大量の鰹節とネギがかかっている、これまたおいしいおつまみ。
ただ、歯ごたえがそこそこあって、
これだけでおなか一杯になりそうになった。
そう、このお店、おいしい料理なのだが、
分量もそこそこ多いのである。
なので、2人程度で分け合うのには向いているが、
1人で一気に食べるのは、ちょっと損している気分になる。

栃尾焼を8割食べたところで、玉子焼き、
これまた大きいサイズで登場。
この玉子焼き、これがまた絶品!
やさしい甘めの味付けで、こちらはあっさり食べられた。
ただ、メインがまだ残っていた。鯖の一本寿司である。
でも、カウンターの席は私のものだから、
ゆっくり、ひたすらゆっくり食べることを心掛けた。

玉子焼きを8割食べたところで、鯖の一本寿司登場。
カウンターは普通サイズなのだが、
料理のお皿が大きいので、1人当たり一品くらいしか置くことができない。
あわてて、玉子焼きを小皿に移し、鯖の一本寿司を置いた。

今までいろんな鯖寿司を食べた。
そのほとんどは「ご飯が大きく、鯖が小さい」ところがあったのだが、
このお店では鯖がご飯に巻きつくように作ってあり、
どこを食べても、まんべんなく鯖があたるようになっている。
これは画期的である。
しかも、しめ方があっさりでお酢が若干苦手な私でも
おいしく食べることができた。

店を出るときに、ご主人に「おなかいっぱいでしょう?」と聞かれたので、
「はい、酒場放浪記を見て来ましたが、おいしかったです!」と正直に答えた。
開店から1時間でお客が押しかけるほどの人気の高いお店だが、
いわゆる店員とか常連からいろいろ声をかけられるタイプのお店ではなく、
静かに、純粋においしいお酒とご飯が楽しめる、とてもいいお店である。
個人的にはハードルが高いけど、また行けたらいいな〜。

(最終訪問日:2013年9月7日)


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